PROPOSAL FOR TAKEIRI SEISAKUSHO — vol.3
— 先日お預かりした整理事項(標準機能とカスタム開発の区分け+費用概算)をお届けします。まずは 4か月プロジェクトで「営業商談→製造案件」の業務フローをカンバンで再現し、運用ルールを作り切ったうえで、実際の業務運用開始までを伴走する——ここに集中するご提案です。
01 | 6/30 のご協議を受けて
前回までの主題「既存ツールとダブらせない(3システムの棲み分け)」にはご賛同いただきました。6/30 は、その前提の上で 案件カンバン・メール連携・タスク管理・データ保持・図面連携・費用/補助金 まで、具体的な機能を一つずつご協議いただきました。本書はそのまとめです。
02 | 前提の再確認
TECS(原価)・図面システム(図面)はそのまま。Zoho は「今どの案件がどの工程にいるか」という空白だけを担い、CSV/URL で連携します。6/30 では「原価・粗利はTECSでできる」と御社からもご確認いただきました。
=引き合い〜見積〜受注〜製造工程の「見える化」ハブ
案件カンバン/取引先カルテ/メール履歴の自動蓄積/タスク・アラート/権限制御/レポート・AI分析
原価・仕入・発注・部品表・粗利/原価管理
=そのまま使う
図面の蓄積・品名/品番のAI抽出
=そのまま使う
03 | ご提案の中心
6/30 で拝見した、色分けされた工程フロー図。この粒度で整理されている例は初めてで、非常に完成度が高いものでした。ただ課題は 「静止画で、基準になって“動くもの”がない」 こと。ここに Zoho カンバンが噛み合います。
自作フロー図の各工程=カンバンのフェーズに対応。静止画が、案件が実際に流れる盤面になる。
フェーズにカードが溜まる=そこに負荷が集中。「先行情報が一番軽い」等が一目で分かる。
工程ごとの標準リードタイム=滞留アラートの基準日。「同じ3日設定でも8件あればさばけない」を工程別に調整。
今回のプロジェクトのゴールは明快です。営業商談から製造案件までの一連の業務フローを、Zoho のカンバン上で“そのまま再現”し、誰が・いつ・何を入力してどう動かすかの「ルール」を作り切ったうえで、実際の業務としての運用開始まで——ここに4か月を集中投下します。最初の3か月は週次ミーティングで業務フローの把握とCRMへの落とし込みを進め、4か月目は本運用の定着支援に切り替えます。
まず「これ自体がメリットになりそうか」をご体感いただく段階。この“フロー再現とルール化〜運用開始”までで、十分なオペレーションになります。
プロジェクト期間中に作成する「運用手順書」の完成イメージとして、弊社が別の製造業のお客様向けに作成した手順書を、企業が特定できないよう匿名化したサンプルをご用意しました。業務フロー・ステータス定義・自動化・週次運用まで、どの粒度で作り込むかをご確認いただけます。
04 | 本ご提案の導入メリット
§03 でご覧いただいた「動く盤面」が定着すると、単なる進捗表示にとどまらず、現場の負担軽減と経営判断のスピードアップの両方に効いてきます。6/30 のご協議内容から、特に効果が見込めるポイントを整理しました。
案件カンバン+フェーズ別の金額・件数自動集計で、自社トータルの“今動いている金額”が一目で分かるようになります。
担当者/更新者の自動記録とフィルター検索で、「加藤が休んだ時、加藤の締切近い案件をすぐ絞れる」ような代理対応が可能になります。
TECS・図面システムは今のまま使いながら、見積・図面URL・商談履歴・メール履歴などの情報を案件・取引先ベースでZoho上に集約できます。3つのシステムを行き来して探す手間がなくなり、「この案件は今どうなっているか」を1画面で把握できます。
企業情報・図面・見積・メモは契約継続中は永続保存。「7〜8年前の案件が今どうだったか」もカルテを開くだけで遡れます(→ 08)。
受注予定日の超過や1ヶ月無アクションを検知する滞留アラートで、ステータスが止まったままの案件を機械的に見つけ、保留へ退避できます。
担当者別の受注傾向・失注率・受注ターム(見積〜受注期間)をレポート化。勘や記憶ではなくデータで商談・人員配置を判断できます。蓄積したデータは将来的にダッシュボードでのビジュアル化やAI分析(Phase 2)への接続にも展開できる拡張の土台になります。
05 | 費用・補助金・スケジュール(6/30 提示ベース)
| 区分 | 内容 | 概算 |
|---|---|---|
| 初期(構築・伴走) | 要件定義+実装+運用手順書作成+現場定着支援。過度なカスタムはせず、標準機能を運用手順書とセットで整合させて納品。4か月プロジェクト(35万円×3ヶ月+15万円×1ヶ月) | 120万円 |
| ライセンス (Zoho CRM エンタープライズ) | 案件カンバンに必要な CRM 機能のみのプラン(会計・受発注は含まず)。会計・受発注は既存の TECS をそのまま使用するため、機能の重複がありません。 ※ ご利用になる実ユーザー数分のみのご契約でOK(全従業員分の購入は不要)。 | 1人あたり 月額 5,660円 年間契約/税別 年額 67,920円/人 (2026年7月改定価格) |
今回は Zoho CRM 単体(会計・受発注機能を含まない)でご提案するため、会計・受発注・決済機能を要件とするインボイス枠の対象外となります。そのため補助金は 通常枠 でのご申請となります。前回の TECS ご導入も通常枠でしたので、申請の枠組みとしては前回と同じ扱いです。
補助対象:Zoho CRM のライセンス費用(最大2年分)+ 導入・設定の支援費用。
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 賃上げ要件 | 補助金額が150万円以上の場合は必須。150万円未満は不要 |
| 補助率 | 1/2 〜 2/3(賃上げ実施等の条件により変動) |
| ハードウェア | 対象外(PC・POS 等は補助対象に含まれません) |
| 対象ツール | Zoho CRM は対象ITツールとして登録済み(要:最新公募回での確認) |
モデルケース:初期導入支援 120万円/Zoho CRM エンタープライズ 5名分/2年分を補助対象に算入した場合。通常枠の補助率=1/2 で試算(賃上げ要件なしの基本ケース)。
| 項目 | 金額(税別・概算) |
|---|---|
| 初期導入支援費用(構築・伴走) | 1,200,000 円 |
| Zoho CRM エンタープライズ ライセンス 2年分 67,920円 × 5名 × 2年(2026年7月改定価格) | 679,200 円 |
| 補助対象経費 合計 | 約 1,879,200 円 |
| 補助金額(通常枠・採択時/補助率1/2) 約188万円 × 1/2 | ▲ 約 939,600 円 |
| 実質のご負担(初期+2年ライセンス) | 約 940,000 円 |
※ 出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領/CARE ARC・補助金ポータル等(2025〜2026時点)。採択率は近年7割→6割程度に厳格化。制度詳細は公募回で変動するため、正式申請時に事務局要領で最終確認します。
自作フロー図を土台に、営業商談〜製造案件の工程・ステータスの持ち方/共有したいこと/不健全データの発生タイミング(例:1ヶ月フォローなし)をヒアリングし情報を棚卸し。並行してカンバンのフェーズをCRM上に初期組み上げ。
必要に応じて設定の続きを行いながら、1ヶ月目に作った器へ実データを投入し、実際の挙動フローに問題がないかを確認、チューニング。
実際の運用者2名に案件の入力をしていただき、問題の有無をチェックしながら運用ルール・手順書(動画+テキスト)を仕上げる。
実際の業務としてZohoを本運用開始。週次から隔週ミーティングに切り替え、運用状況をチェックしながら、小さな運用フローへの落とし込みを継続的に支援。
06 | 進め方
今回は「4か月プロジェクトで何をするか」「標準/カスタムの区分け」「費用・補助金のコスト負担イメージ」までをお示ししました。一旦この内容をもって、社内・社長様とご検討いただければと思います。前に進めていただけるようでしたら、次回あらためて詳細を詰めます。
標準/カスタムの区分け+費用・補助金シミュレーション・スケジュールの概算(=本書)。まずはこの内容でご検討ください。
本提案の内容と補助金のコスト負担イメージをご覧いただき、進めるかどうかをご検討ください(前回TECS交付決定からの12ヶ月経過は確認済みです)。
自作フロー図 → カンバン設計への落とし込み、4か月プロジェクトのスコープ確定、確定見積・補助金プランのご提示、実際の画面でのデモまで行います。
07 | <ご参考>機能の「標準/カスタム」区分け(詳細)
ラベル凡例:標準機能 追加開発なしで可能 / カスタム 御社向けの作り込みで実現。
結論:大半のご要望は「標準機能」で満たせます。カスタムは“要所だけ”です。
| 機能 | 内容(6/30 でご確認いただいた点) |
|---|---|
| 案件カンバン | 先行情報→手配中→組立中… のフェーズを、カードのドラッグ&ドロップでステータス更新 |
| フェーズ別 金額・件数の 自動集計 | カードを動かすと、上部に各フェーズの受注想定金額・件数がリアルタイム集計。自社トータルの“今動いている金額”が一目で分かる |
| 装置一式/単品部品の 出し分け | 受注2形態をレイアウト(データの型)2種で管理し、ビューで表示分け |
| 1案件=複数部品の ステータス管理 | サブフォーム/関連レコードで部品を案件にぶら下げ、各部品の工程を個別管理 |
| 製造現場に金額を非表示 | ユーザー権限・項目レベルセキュリティで「非表示/閲覧のみ/入力不可」を制御。現状のサーバー分離運用を、権限設定1つに統合 |
| 担当者/更新者の記録+ フィルター検索 | 案件ごとに担当者を登録、編集で更新者を自動記録。担当者/更新者で絞り込み、ビューを保存可(休職時の代理対応がしやすい) |
| タスク管理・リマインダー | 案件にタスク(期限・担当)を設定。「見積提出は今週金曜」等をアラート。自分のタスクを横串で管理 |
| メール履歴の自動紐づけ | 担当者メールアドレスをキーに送受信メールを顧客へ自動蓄積。BCC/CC 追加で取込。転記不要 |
| 滞留アラート(基本) | 受注予定日の超過/最終アクションから1ヶ月無反応 をアラートし、保留へ退避。“死んでいない案件”を健全に保つ |
| レポート/ダッシュボード | 担当者別の受注傾向・失注率・受注ターム(見積〜受注期間)をグラフ化 |
| データ保持(明示保存分) | 企業情報・添付PDF(図面/見積書)・メモ欄テキストは契約継続中は永続保存(→ 08) |
| 機能 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 部品明細CSV 一括インポート | 製造案件で「明細取り込む」ボタン→ウィザードでCSV選択→明細を一括反映。項目名が一致すれば列の順序は不問 | 数日〜 |
| メール件名/注文番号での 案件別 自動振り分け | 同一担当者が複数案件を並行する際、件名・注文番号のルールで案件ごとに自動振り分け(標準はメアド単位) | 2〜3日 |
| 滞留アラートの 段階色分け | 黄→赤の段階表示、工程ごとに基準日(標準リードタイム)を変える | 要件次第 |
| 変更履歴の自動 エクスポート | 標準で3年で消える“変更履歴”を、自社サーバー等へ自動バックアップ | 要件次第 |
| 音声:商談録音→ 活動履歴 | スマホ録音を自動で文字起こし・要約し活動履歴へ保存(etika オリジナル)。車移動中の口頭報告に | 個別見積 |
| AIエージェント分析 | 蓄積データをAIが分析。最高パフォーマンス営業の特定、模範トーク(Q&A集)との商談比較・評価 | 個別見積 |
08 | <ご参考>データはどれくらい残るか
「過去の案件が今どうだったか、誰がやったか知りたい」というご要望に対し、保持の仕組みを整理します。
| 種別 | 保持期間 | 補足 |
|---|---|---|
| 明示的に残したデータ 企業情報・添付PDF(図面/見積書)・メモ欄 | 永続 契約継続中 | ここに図面PDF・見積書を貼れば期限なく残る。過去案件の掘り起こしは「カルテを開く」で解決 |
| 変更履歴 項目編集・電話番号更新などの操作ログ | 標準3年 で自動消去 | 3年超は要エクスポート。自動エクスポートはカスタムで対応可 |
| 履歴の検索 | — | 操作ログ自体は検索対象外。入力後のデータに対して担当者/更新者で検索する |
4か月プロジェクトで「営業商談→製造案件」の業務フローをカンバンで再現し、運用ルールを作り切ったうえで、実際の業務運用開始までを伴走する——標準機能中心・スモールスタートのご提案です。前に進めていただけるようでしたら、次回、御社の工程フロー図を土台にスコープを確定します。
ご提案:株式会社 etika | Zoho CRM/Google Workspace を土台に、業務設計→データ活用→現場定着まで伴走するCRMコンサルティング
【注記】本書は2026年6月30日のご協議(議事録)に基づく第3回提案のまとめです。機能の「標準/カスタム」区分は現時点の整理であり、御社の運用要件の最終ヒアリング後に確定します。費用・ライセンス(初期120万円=4か月プロジェクト・35万円×3ヶ月+15万円×1ヶ月/Zoho CRM エンタープライズプラン 月額5,660円・税別/2026年7月改定価格)およびIT導入補助金〈通常枠:補助率1/2〜2/3・補助金額150万円以上で賃上げ要件必須〉は概算・一般条件であり、要件確認・補助金の枠/年度・審査状況・過去申請歴により変動します。補助金は「デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)通常枠」を想定し、Zoho CRM の対象ツール登録・機能要件を前提としています。図面システムとの連携(部品明細ごとのURL出力可否)、TECS のエディション等の [要確認] 事項は次回ヒアリングで解消します。